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綱による道切り

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年11月10日更新

道切りとしてしめ縄をかける例は各地に見られます。千葉県内では、綱を蛇の形に作る例や、綱に器物(きぶつ)などを吊り下げる例(木更津市金田・鴨川市など)が確認されています。 市域では現在、坂田で「しめ張り」が行われ、人見ではこれを個人宅の門に張ります。南東部の香木原で行われる「綱より」は、綱に草鞋(わらじ)などを下げ、隣接する鴨川市との類似性が見られます。また過去には、貞元でしめ張りが、豊英で綱よりに近いものが行われていたと伝えています。 主要道路に張られた綱は、大型車の通行が盛んになる昭和30-40年代に、その多くが姿を消しました。しかし、地区によっては、道路脇に設置するなどの工夫で、現在も伝承されています。

「しめ張り」坂田

坂田しめはり 坂田しめ張り2 

左:旧畑沢村境 右:旧中野村境  『周西地域誌』周西マップクラブ編より

2月上旬に、4つの組(現在は3つの組)の役員が、組ごとに一つずつ作成し、集落の入口に設置します。形は、綱に房(藁製)3個と、弊(しで/紙製)4個を下げるものです。制作後は清めの意味で会食を共にします。悪い病気などが入って来ないようにという意味で行われています。

「綱より」香木原 かぎはら

綱より 綱より設置風景2 2014年(平成26年)撮影 上総公民館提供

1月2日に男性が集まり、香木原自治会館で制作して、集落入口の3か所(鴨川境・長狭(ながさ)境・清水境)の道路脇に設置します。制作後は宴会となります。綱には、道具や器物(きぶつ)を下げ、悪いものが入って来るのを防ぎます。

香木原の綱よりに下げているもの

わらぞうり 草鞋 桟俵 苞っこ 徳利 しめ   

 ◎藁草履(わらぞうり)・◎草鞋(わらじ)・◎桟俵(さんだわら/半俵とも呼んでいる)・苞っこ(つとっこ)・徳利(とっくり)・注連(しめ)  品目は鴨川の「綱吊り」と共通しています。

◎印の3つは完成させず、綺麗に作ってはいけないと言います。「こんなものを作る村にはろくな者がいない」ことを示し、悪いものが村に入る事を諦めさせると伝えられています。

桟俵(さんだわら)は、一般的には俵の側面として使われました。または神への供え物をのせる容器としても使われています。香木原の綱よりではこれを完成させず、「(俵の部品としては)完全でなく米がこぼれてしまう」という意味と伝えています。

苞っこ(つとっこ)は、一般的には藁などを束ねて食べ物などを包み、主に持ち歩くためのもので、「土産(みやげ)」を示す意味もあります。香木原の綱よりではネギと炭を入れます。臭いのきついものと食べられないものを入れた、嫌がらせの意味と考えています。

徳利(とっくり)には杉葉を挿します。「酒を供える意味で下げるのだろうが、藁で作るので、酒が漏れてしまう」「杉はチクチクするので嫌がる」と伝えています。

注連(しめ)は3個下げます。

下げる順序は決まっていません。

(参考)「綱張り・綱吊り」木更津市金田

金田もけい2 模型 篠田芳夫氏・みち子氏提供

木更津市金田の各組では「綱張り」「綱吊り」などの呼称で行事が盛んに行われています。下げるものは君津の香木原とは異なり、タコ・エビ・サイコロ・絵馬・タワシ・鹿島人形一対という組み合わせが多く見られます。タコは悪い物を吸い取り、タワシは洗い流し、鹿島人形は災いを除けると伝えています。

 

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