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雹よけ(ひょうよけ)と道切り 

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年11月10日更新

雹(ひょう)は夏の発達した積乱雲の中で発生する5ミリ以上の氷の塊で、農作物や人畜に被害を与えます。こうした自然災害もまた、悪霊や鬼などがもたらすと考えられ、関東各地で「雹嵐除け」「雹まつり」などが、4月を中心に行われてきました。

市域では1月に、神社での新年最初の縁日や会合で実施されます。小櫃川上流域では主に「雹よけ」の名で、3か所で伝承されています。雹よけは、酒樽(さかだる)に見立てた藁の作り物に杉葉をさし、竹の先に刺して屋外に立てます。3地区で、名称や形、設置場所や意味合いなどが多少違っていますが、道切りの意味を伴っているものが見られます。

高水では、作り物を堂に設置すると同時に、綱を村境に設置し、綱は道切りの意味で行うといいます。久留里大和田では作り物自体を村境に設置します。この作り物を伴う雹除けが確認されているのは、旧川越藩の上総分領の範囲です。

「ヒョウヨケ」久留里大和田 

ひょうよけ設置風景 雹よけ 製作風景 2020年(令和2年) 撮影

久留里大和田地区の菅原神社で、初天神(はつてんじん)の日(1月25日)に作られます。これは、鳥居のしめ縄の交換と一緒に行われるものです。ヒョウヨケを設置する場所は、久留里市場との境と、向郷(むかいごう)との境の道の脇です。 ヒョウヨケはお飾り藁で作っています。藁の束をひねり、Uの字に固め、それを3つ束ねて縛ります。先端を切りそろえたら杉葉を挿し、それが上部になります。下部には神社からいただいたシデ(紙垂/四手)を4枚付けます。

「樽酒」高水

樽酒設置風景 樽酒 2020年(令和2年)撮影

藁製の「樽酒」は暮れのうちに作っておきます(昔は新年会で作っていた)。この時に、しめ縄と綱も同様に作っておきます。これらを新年会の時に設置します。樽酒は不動様の入口に立て、お堂にしめ縄をはり、綱は村境に設置します。綱には神社からもらったシデ(紙垂/四手)を付けたシンプルなもので、3か所に設置します。村に悪いものが入らないようにという道切りです。

※参考 「雹除け(ひょうよけ)」坂畑

 雹避け  雹よけ設置風景  坂畑自治会提供

1月の第3日曜日に、新年御祈祷を行い、それにあわせてしめ縄をかけ、初神楽を奉納した後、雹除けを自治会館前に設置します。 『上総文化第10号』1983年によれば、「200年前に雹の被害があったため、各戸ごとに藁で酒樽の形を作り、中心に杉の葉を挿して神棚に上げ、豊作を祈願した。100年前には地区の行事としてまとめて行うようになった。1月18日に神前に供え、神官が祈祷して『災害除け』や『家運隆盛』などを祈願した」という旨の記事があります。

※坂畑では、設置する場所や実施する目的に、道切りの意味は見られません。

 

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