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鹿島人形(かしまにんぎょう) 

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年10月28日更新

君津市域の鹿島人形は、等身大で手を大きく広げ、刀や槍を携えた鹿島神(武神)の姿で、悪霊・疫病・悪い物事などを退散させると伝えています。制作の時期は9月で(現在は10月に行う地域もある)、集落の神社か、ムラ境に立てられます。 地域によって「鹿島様」や「人形だんご」と呼ばれ、呼称のように、だんご(現代では菓子も)を人形に乗せたり、詰めたりして、それを食べると病気にかからないとされています。 市域での起源は不詳ですが、1761年(宝暦11年)の『房総志料』には、近隣の現袖ケ浦市三箇で、神社の鳥居に大きな草の人形を立てていた記述が見られます。

「鹿島様」俵田第1部 たわらだだいいちぶ

鹿島様 俵田第1部  2007年(平成19年) 撮影

10月後半の日曜日、俵田第1部で、その日に都合のつく大人が集まって作ります。権現様で制作して、その場に立てます。昔は白山神社に立てたという記録もあります。人形は1体で、鉢巻きを付け、刀を差して槍をもち、180センチメートル程と、大きい事が特徴です。制作後は肩や手にだんごや菓子をのせます。その後は子どもも参加して、その場で宴会になります。 鹿島様は病気や自然災害などをよける行事とされ、その供えものを食べると病気にならないともいいます。 行事は一度途絶えましたが、復活して現在も伝承されています。

 

「人形だんご」大坂 鴫畑地区 おさか しぎはたちく

大坂人形だんご 団子の様子 2007年(平成19年)撮影

9月9日、 その日に家にいる大人が集まり、集落入り口の「人形場(にんぎょうば)」で制作して、その場の崖に立てます。人形は男女一対で、鉢巻き・腰蓑(こしみの)を付け、刀を差します。男はちょんまげで槍をもち、女はまげで、薙刀(なぎなた)を持ちます。胴体と手足のコブのような膨(ふく)らみが特徴で、昔は麦わらで作ったといいます。制作後は、人形の腕などにだんごをのせ(痛いところにものせる)、制作した大人はその場で宴会になります。 疫病・悪霊をよけると同時に、だんごを食べると病気にならないといいます。   

「人形だんご」広岡 稲滝・鹿ノ畑地区 ひろおか いなだき・かのばたけちく

広岡人形だんご  菓子を入れる 2020年(令和2年)撮影

10月の第一日曜日、一軒から一人出て、稲鹿(いなしか)公会堂で制作し、隣接する山王(さんのう)様の鳥居に立てます。昔は9月9日に行われていました。男女一対に作り、男はちょんまげで槍を持ち、女は長髪で薙刀(なぎなた)を持ちます。昔は胴を麦わらで作りました。制作後は懐(ふところ)に袋詰めの菓子(昔はだんご)を一組入れておき、製作者は公会堂で宴会になります。夕方、地区の人が各自で参拝し、懐の菓子をもらい、持参した菓子を代わりに入れます。 悪疫予防、盗難防止、五穀豊穣、家内安全を願うとされ、菓子はお護符(ごふ)の意味があり、食べると病気にならないといいます。

参考:『鹿村雑話』1995 石井揆一著/君津市立久留里城址資料館調査2020