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【おびつだより掲載】「おびつびと」田中さんインタビュー全文公開!

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年9月10日更新

小櫃で150年、受け継いできた味と新たな挑戦

地域あっての醤油屋 田中 透さん

「おびつびと」では、小櫃地区の、特技や好きなことに取り組み、キラキラと輝いている方を紹介しています。
今回は、明治6年から小櫃で醤油をつくり続けている、田中醤油株式会社6代目の田中 透さんにお話を伺いました。

『おびつびと』(おびつだより第241号)で紹介した田中さんの、紙面では紹介しきれなかったエピソードや写真を、ホームページでご紹介します。

『おびつだより』はこちらからご覧いただけます!

田中醤油の詳細はこちら!(きみなび)<外部リンク>

顔写真

田中醤油について教えてください

明治6年から小櫃で醤油をつくり続けていて、私は6代目になります。

4代目の頃は戦前・戦後で、地元の皆さんや、この近くの商店さんにお世話になっていました。当時は交通も今ほど整っていなくて、道路も十分ではなかったですし、トラックなども少なかったので、大手メーカーの製品もあまり入ってきていませんでした。
そのため、地元の商店さんなどとのつながりが大きかったです。

その後、交通が整ってきた戦後には、先代の5代目が業務用に力を入れるようになり、会社を立ち上げました。
今でも、学校給食をはじめ、病院、お弁当屋さん、ラーメン屋さんなど、業務用のお客さんに提供させていただいています。

ただ、その先で時代が変わって、生活環境が変化し、コンビニなどもかなり増えてきました。そうした時代の変化の中で、これまでと同じことを続けるだけではいけないと思うようになりました。

そこで、私は卵かけ用のぶっかけ醤油やめんつゆ、蜂蜜入りの醤油などをつくるようになりました。
みんなに身近な商品をつくることで、田中醤油を知ってもらいたいという思いもありました。

醤油づくりで、昔から変えずに大切にしていることは何ですか?

作り方は昔から変えていません。

麹を使った製法で、自然発酵させています。冬から春にかけて仕込み、夏の温度で微生物を活発に発酵させ、秋に仕上がるという、毎年同じ循環で醤油づくりを行っています。

仕込みには、昔ながらの木の樽を使用しています。同じ樽を毎年使い続けることで良い味が出てくるので、ずっと大切に使い続けています。
材料については、遺伝子組み換えでない大豆と、国産の麦を使用しています。

仕込みの時期には、夜中の2時に起きて早朝から作業をすることもあります。安全にも十分配慮して製造しています。皆さんに喜んで使ってもらいたいという思いで取り組んでいます。

もろみを発酵させている様子もろみを絞って、出てくるのが醤油醤油を保管している木桶醤油を保管している木桶2

卵かけ醤油(ぶっかけ醤油)のこだわりを教えてください

一番のこだわりは、香りです。
口当たりの良さと甘さにもこだわっています。

あったかいご飯にかけてもらうと、香りが出ます。
醤油でも焼くと醤油の香りがしますよね。うなぎ屋さんに行けば、うなぎの匂いがするのと同じような感じです。

かつお節、昆布、椎茸なども入っていて、とにかく香りを意識してつくりました。

ぶっかけ醤油

おすすめの食べ方はありますか?

普通の醤油は、皆さんのお好みで使っていただければいいと思います。

ぶっかけ醤油は、まず、よそったご飯に醤油だけをかけて食べてみてもらえると、他との違いが分かると思います。
味が明らかに違うのを感じていただければと思います。

元の醤油自体に良いものをつくらないと、最後まで良いものにならないので、元の醤油づくりも大切にしています。

また、普通の醤油は業務用のサイズでも販売していますが、ぶっかけ醤油は300mlのサイズだけです。これ以上大きくすると、少なくなってきたときに香りが変わってきてしまうので、早く使い切ってほしいと思っています。それだけ、香りにはこだわっています。

ぶっかけ醤油 イラストは工場のようす

小櫃に対する想いを教えてください。

小櫃はいいところですね。醤油づくりにも適していると思います。

醤油づくりでは音も出ますし、匂いも出ます。発酵するとアルコールが飛ぶので、壁もすぐ真っ黒になってしまいます。でも、田舎だからこそ、夜中から朝方に機械をガラゴロ回しても、周りの迷惑になりにくい。そういう意味でも、ここはいいところですね。

商品は「コニシ醤油」というブランド名で販売しています。小櫃の「小」と、西原の「西」からとった名前なんです。

大学を卒業して小櫃に帰ってきてから、地元の自治会の皆さんや先輩・後輩たちに随分よくしてもらいました。青年部などでは、ふるさと祭りの運営にも参加させてもらいました。今でも、祭りの景品にうちの醤油を使ってもらっています。

地域の人たちが大切にしてくれる、地域あっての醤油屋だと思っています。

看板工場の外観

これからやってみたいことはありますか?

なかなか考えてはいるけれども、実行できていないことがあります。

うちの醤油を使った、手軽に食べられる食品をつくってみたいですね。
せんべいのようなものですとか、チャーシューのようなものですとか。

ただ、なかなか日々の仕事に追われて、そこまでできていないのが現実です。
新しいものはいろいろ考えていきますけれども、大きな企業とは違うので、一つのものを始めて、結果になるまでには、やっぱり時間がかかります。

でも、そういうことも含めて、コツコツやっていくことが大切だと思います。
地道に続けながら、少しずつ形にしていく。そうやって、日々頑張っていきたいと思います。

最後に、地域の人や若い世代に伝えたいことはありますか?

やっぱり、真面目に努力するのが一番ですね。
コツコツちゃんとやる。それが一番だと思います。
醤油屋だからというわけではないですけれど、コツコツ地道にやるしかないですね。