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【おびつだより掲載】「おびつびと」鳥飼さんインタビュー全文公開!

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年12月18日更新

小櫃を「寄り道したくなる地域」に 

観光ぶどう園「シャインの森」 鳥飼 正平さん

『おびつびと』(おびつだより第238号)でご紹介した鳥飼さん。紙面には載せきれなかったエピソードや写真を、ホームページではたっぷりご紹介します。

『おびつだより』はこちらからご覧いただけます!

顔写真

鳥飼さんのことについて教えてください

ー 鳥を飼う。鳥飼(とりかい)という名字に運命を感じて、おいしいたまごを作っています。


祖父の代から続く養鶏場で、私は三代目になります。
「とりかいさんちのたまご」「幸せの青いたまご」といった卵を生産しているほか、お米や野菜も育てています。

子どものころから手伝いをしていて、夏休みや正月休みに周りの友達が遊んでいても、自分はあまり遊べなかったのを覚えています。
家業を継ぐかどうかは悩んだ時期もありましたが、大学時代には同じように家業を持つ仲間がいて、「自分たちがやらなければ、なくなってしまう」という話をしたときに、継ぐかどうかはやってから決めようと決意しました。

趣味は音楽です。学生時代、音楽の授業は苦手で楽譜も読めませんでしたが、ギターは楽譜が読めなくても弾けると知り、やり始めたら好きになりました。ドラムやベースも好きです。
自動販売機などで流す音楽も、自分で作詞作曲したものを使っています。文章では伝えにくいことも、音楽なら伝えられると思っています。著作権の心配もなく、自分の思いを込めて表現することができます。

観光ぶどう園「シャインの森」を始めようと思ったきっかけ

あるとき、友人から「夏休みに子どもを連れて行ける場所はない?」と聞かれました。
しかし思い浮かぶのはイオンやドイツ村、マザー牧場など近隣市ばかりで、君津・小櫃にはおすすめできる遊び場がありませんでした。
冬はいちご狩りができるけれど、夏は何もなく、夏休みの思い出に家族みんなで楽しめる場所を作りたいと思ったのが「シャインの森」を始めたきっかけです。

雨の日でもハウスの中なら楽しめますし、ちょうどコロナの時期でもあり、屋外で安心して遊べる場所にしたいと思いました。
近くにキャンプに来る家族連れにも、アクティビティとして楽しんでもらえたらと思っています。

シャインマスカット

なぜ“シャインマスカット”に決めたのですか?

皮ごと手軽に食べられて、みんなに良いイメージを持たれている果物だからです。
収穫時期が8〜9月と夏休みに重なるので、ハウスで栽培すれば時期の調整ができると思いました。

養鶏業は衛生管理上、見学や試食が難しいのですが、ぶどう狩りならお客さんと直接関わることができると感じました。

始めるまでに大変だったことは?

まったくノウハウがなく、手探りでのスタートでした。
昨年は室温調整がうまくいかず不作でしたが、今年は逆に実がなりすぎてしまうほど。

卵やお米、野菜の仕事と並行しながらだったので、時間のやりくりにも苦労しました。
お客さんがどのくらい来てくれるのか分からないという不安もありました。

接客も初めての経験で慣れないので、学びながら頑張りたいと思っています。

実りすぎてしまったマスカット

実際に始めてみて感じたこと

お客さんから「もう山梨に行かなくていいね」「小櫃にこういう場所があってよかった」という言葉をいただけたときは、本当にうれしかったです。もっと力を入れたいと思いました。

その場で試食してもらい、「おいしい!」という反応があり、お客さんと直接交流できるのもうれしかったです。

 小櫃への想い

小櫃の好きなところは、山が低くて空が広いところです。

小櫃が「素通りされる地域」ではなく、「寄り道したくなる地域」になってほしい。
「旅の目的地」として、観光できる場所が増えたらいいなと思います。

農園の名前「シャインの森」には、まだ細いぶどうの木が将来は森のように育ってほしいという願いを込めました。
「シャイン」は“輝く”という希望を込めて。小櫃を盛り上げたいという思いがあります。

 みんなに伝えたいこと

遊びに来て、楽しんで、少しでも農業のことを知ってもらえたらうれしいです。
シャインマスカットの美味しい食べ方や、なぜ種がないのか―そんなお土産話を持ち帰ってもらえたらと思っています。

「来てよかったな」と思ってもらえる場所にしたい。
そして、農業の魅力を知って「自分もやってみたい」と思う人が増えてほしいです。
誰かが挑戦して成功すれば、君津・小櫃でシャインマスカットがもっと広がるかもしれません。
そんなきっかけを作っていけたらと思っています。

シャインの森