コロナ禍に生きるエールを!星野富弘カレンダー作品ミニ展・特別講演会を実施しました
コロナ禍に『富弘作品』を通じて、「生きる」エールを
2019年12月、中国において、新型コロナウイルス(COVID-19)が原因となる、肺炎などの急性呼吸器疾患が集団発生しました。
その後、このウイルスは中国全土から世界中へと広がり、今日までに多くの命を奪ってきました。
新型コロナウイルスは、私たちの生命を脅かし、日々の生活にも暗い影を落とし、これまでに経験のない様々な「生きづらさ」を生み出してきました。
そして、私たちに「いのちの重さ」や「生きていくということ」を突きつけました。
本展示会では、首から下の体の自由を失う怪我を乗り越え、口に筆をくわえて詩画を描く星野富弘氏の作品を取り上げ、作品に込められた思いを、星野氏の人生に重ね、「輝き」「光」「ゆらぎ」など6つのテーマに分けて、作品を入れ替えながら展示しました。
また、展示の中に「円」のモチーフを多く用いました。これは、「円」には角がないため、今の時代に「生きづらさ」を感じている人が「隅っこ」に追いやられないように、そして、今を生きる誰もが、同じ輪の中で暮らしていけるようにとの願いを込めています。
展示会の構成
星野富弘を知る
星野富弘氏の歩みを振り返り、その人生について紹介
星野富弘と千葉・小櫃
星野富弘氏と千葉、小櫃をつなぐご縁について紹介
テーマに応じた『富弘作品』の展示
「輝き」「光」「ゆらぎ」「いのち」「いつくしみ」「かなたへ」「特別編」の7つのテーマで展示を実施
星野富弘の著書
君津市中央図書館で所蔵する著書の特設貸出コーナー設置
一言感想ノート
来場者が感想を記入できるノートを設置。多くの感想が寄せられました。
各テーマの展示期間
7つのテーマに合わせ、それぞれ展示を行いました。
第一部 「輝きー日常の中に宿る」
展示期間:7月20日(月曜日)から8月2日(日曜日)まで
展示作品:日日草、コスモス、雪の道
第二部 「光ー明日へ生きる希望」
展示期間:8月3日(月曜日)から8月16日(日曜日)まで
展示作品:すかし百合、はなきりん、秋のあじさい
第三部 「ゆらぎー心の葛藤」
展示期間:8月17日(月曜日)から8月30日(日曜日)まで
展示作品:ニセアカシア、ハナショウブ、慰め(クリスマスローズ)
第四部 「いのちー自然の中に息づく」
展示期間:8月31日(月曜日)から9月13日(日曜日)まで
展示作品:やぶかんぞう、美しい今(アルストロメリア)、ガマズミ
第五部 「いつくしみー父母、そして妻への愛」
展示期間:9月14日(月曜日)から9月27日(日曜日)まで
展示作品:ぺんぺん草、結婚指輪、みょうが、菊の花、椿の木、ヒヤシンス
第六部 「かなたへー星野富弘の紡ぎ出す詩画の世界」
展示期間:9月28日(月曜日)から10月12日(月曜日)まで
展示作品:ナンテン、落ち葉、マツタケ、デンドロビューム、あけび、ポインセチア
第七部「特別編−星野富弘の珠玉の名作たち」
展示期間:10月13日(火曜日)から10月18日(日曜日)まで
展示作品:下仁田ネギ、背中、エンドウさん、さざんか、みょうが、秋、結婚指輪、ぺんぺん草
特別講演会「友、星野富弘と富弘美術館
10月17日(土曜日)、特別講演会を実施し、48名の方にご参加いただきました。
星野富弘カレンダー作品ミニ展を通じて、富弘美術館(群馬県みどり市)とのつながりができたことを契機に、富弘美術館の聖生清重(せいりゅうきよしげ)館長に、小櫃までお越しいただきました。
前半に、「星野富弘の生き方と詩画作品」について、聖生館長よりご紹介いただいた後、渡邊 護氏(富弘美術館を囲む会千葉県君津支部「菜の花」会長)より「富弘作品の書の魅力」について語っていただきました。最後に、対談形式で星野富弘さんの人柄や作品の魅力についてご紹介いただきました。
講演会終了後に、展示会場にて、聖生館長による展示作品の解説や地域の方と交流をしていただき、有意義なひと時を過ごすことができました。
感動こそ、生きる力の源
新型コロナウイルスが依然として猛威を振るう中、一連の活動を通じて、感動は希望につながる感情であり、感動こそ生きる力の源だということに改めて気づかされました。
公民館の一角ではじめた展示会に延べ500名を超える方が来館されました。感想ノートに寄せられた声の一部をご紹介します。
- コロナ禍の今、富弘さんの詩画をみて、心がほっこりしました。なにげない日常のこと一つひとつについて考えながらの生活でストレスの毎日です。そのよう中、小さな公民館の小さな場所に、少しだけ心安らげる時間を持てる場があることはいいなぁと思いました。今こそ、心大切に過ごしたいものです。
- つまらないことでクヨクヨしている自分。生きて、元気に過ごしているだけでも感謝しなくてはと思います。元気、勇気をありがとうございました。
- 小さな小さな富弘美術館と化した小櫃公民館は、人々の心を癒しているのだろうと、信じてやみません。世間では自粛の方向の中で、このような展覧会を開催していただきありがとうございました。希望をいただきました。