平成26年度講演会記録「地域みんなで考えよう発達障害」（八重原公民館）

八重原公民館家庭教育学級合同講演会（公開講演会）の報告

地域みんなで考えよう発達障害

講師

神田一起さん（千葉県発達障害者支援センター）

実施詳細

開催日　平成27年2月4日（水曜日）

会場　八重原公民館レクリエーションホール

対象　八重原地区家庭教育学級生、一般参加者

主催　八重原公民館

講演内容（概要）

詳細につきましては、別添のファイルをご覧下さい。

また、発達障害に関しましては、平成25年度講演会記録「知ることから始めよう・・・落ち着きのない子、忘れ物の多い子…子どもたちの不思議な世界」も併せてご参照ください。

千葉県発達障害者支援センターについて紹介

発達障害者支援センターは全国88箇所、千葉県内では3箇所設置されている。

相談を主な業務にしながら研修や啓発普及活動も行っている。

発達障碍とは何か、まずは知りましょう

発達障害とは、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」（発達障害者支援法第二条）と定義されている。

自閉症

• 自閉症とアスペルガー症候群、広汎性発達障碍（自閉スペクトラム症）の区別
• 常同行動とは
• 感覚過敏・純麻とは

注意欠陥多動症（ADHD）

ADHDとは、「年齢あるいは発達に不釣合いな注意力、及び／または衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される」（平成15年　今後の特別支援教育の在り方について）と定義されている。

学習障碍（LD）

学習障碍とは、「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない」（平成11年　学習障害児に対する指導について）と定義されている。

トゥレット障碍

トゥレット障碍とは、運動チックと音声チックの両方を兼ね備えたものをいう。

支援の方法で大切なのは、その子自身に合った関わり方になっているか

大声で怒鳴ったり、説教したり、無理矢理させたりしても、こちらの求めている結果は得られない。効果が出ないのであれば、その方法は変えたほうがいい。

支援においては、それぞれの特性を理解し、それに合わせた関わり方が大事。

自閉症の支援は、本人が生きやすい環境を一緒につくること

自閉症の場合、構造化、肯定的な姿勢、共感、低刺激、連携に則った支援が重要だとされている（英国自閉症協会）。

• 自閉の方への支援方法は、本人の能力が低いから使うのではなく、自閉という特性に合わせた支援の形。生きやすさや生活のしやすさのために用いるもので、メガネを使うことと一緒。
• 発話がない方に対しては、目で見えるようなコミュニケーション手段をとることも支援の一つ。
• 支援する側がお互いに共通理解を持つことが重要で、あらかじめ本人への対応を統一させておくこと。

地域の中での支援は、本人にとって良いことは何かを考えること

岩手県一関市のNPO法人いわて発達障害サポートセンター「えぇ町つくり隊」の事例を紹介。

自閉症児・者への理解を広げ、本人が自立して暮らせるまちづくりを行っている。

おわりに…発達障碍の研究は今も進んでいる

支援の難しいところは、発達障碍のすべてがまだはっきりと分かっていないということ。

昔は、親の愛情不足が原因と考えられていたこともあるが、現在は否定されている。

そのため、発達障碍と関わる方は、常に最新の知見を取り入れておくことが大事。

なお、毎年4月2日は世界自閉症啓発デーとなっており、4月2日から8日は発達障害啓発習慣となっている。

講演関連資料

• 講演会記録[PDFファイル／434KB]

  講義の内容について書いてあります

• 参加者の声[PDFファイル／153KB]

  当日参加された方の感想です