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【広報きみつ】君津市民文化ホール35年の歩み

開館35周年記念特集
君津市民文化ホール35年の歩み
平成2年9月13日、旧5カ町村合併20周年を記念して、君津市民文化ホール(以下、市民文化ホール)は開館しました。市の誇りある歴史と文化を育み、人々の心と心を結ぶ施設として整備され、旧国立代々木競技場や東京都庁舎などを手がけた丹下健三氏が設計。外観は、「前進」 を象徴する船をイメージし、日本画壇の最高峰・東山魁夷氏や市出身の画家・根本峯男氏の原画・監修を受けた緞帳のほか、優れた音響設備などを兼ね備えています。
周西の丘小学校児童が校内をご案内!
今月号では、市民文化ホールの開館以前から現在に至るまで運営に携わっている野口芳久さん((公財)君津市文化振興財団理事長)に、市民文化ホールの昔と今とこれからをお聞きしました。
今月の話し手
(公財)君津市文化振興財団理事長 野口 芳久 さん

PROFILE
君津市出身
元東京音楽大学教授
現在、かずさジュニアオーケストラ音楽監督をはじめ、これまでに山形交響楽団や現在の千葉交響楽団などで指揮。
良い響きのホールを作ろう
大ホールのロビーに掲げられている寄贈者御芳名のプレートにより、開館時にご尽力いただいた方々を知ることができます。
最初の記載は広大な土地を提供してくださった「用地提供者」27名のお名前。次の「建設資金提供者」には、君津にゆかりのある世界に名だたる大企業を筆頭に、個人を含めた34者のお名前。その後、「設備」や「植樹」にご理解をいただいた方々のお名前が続きます。そして、今になっても変わらぬ支援をして下さる近隣の音楽関連の企業や個人の方々…。こうした多くの方々のご理解とご支援を賜ったからこそ、県下でもトップクラスの稼働率を誇る市民文化ホールがあるわけです。

大ホール・ロビーの寄贈者御芳名のプレート
35年前、音楽大学で教えていた私は、「良い響きのホールを作ろう」という考えに共感し、建設委員会への参加のお誘いを二つ返事でお受けしました。当時音響設計で世界一を誇っていたNHK技術研究所を訪ねての依頼。手動で残響時間を変化させる事ができる宮城県中新田のバッハホールを、建設委員会の皆さんと見学、残響時間の長短を興味深く体験したことなど、当時の活動が思い出されます。
文化ホールの今とこれから
「前進」を象徴する、船をイメージさせる外観のホールが出港して早や35年。大・中のホールでは、世界中から来日する一流の演奏家の演奏や繰り広げられる豪華絢爛な舞台、懐かしの映画や今話題の映画、笑い、そして時に涙を誘う日本の話芸。さらにそれらの公演と同じくらいの頻度で地元の人達や趣味のサークル活動など。
館長・副館長の下、各部門の専門スタッフが総力を結集し、感動の時間を約束する「舞台」、安全で快適な空間を作り出す「設備」や「警備」、美しい館内を保持する「清掃」、企画・運営の要であり親切な対応を心掛ける「事務室」。以上の最少・最強のスタッフで最大の効果をあげるべく、安心して足を運んでいただけるよう、これからも努力・展開して参ります。

(1)東山魁夷氏(出世作は、九十九谷を題材に描かれた「残照」)の「黎明」が施された大ホールの緞帳 (2)上空から見た市民文化ホール。上空からも船の形が見て取れます (3)400人以上が合唱団として参加した、「みんなの第九演奏会」野口芳久さんが指揮を執り、石井宏子市長も合唱団員の一人として参加しました (4)国民文化祭へのご臨席のため、君津駅に到着された当時の皇太子殿下(現在の天皇陛下) (5)広い駐車場を活用し、災害時の防災拠点としても利用されてきました(令和元年房総半島台風被害での、自衛隊による市民への仮設入浴施設の様子)
\35年の歩みを振り返る/
平成2年9月:君津市民文化ホール開館
| 年月 | できごと |
|---|---|
| 平成2年9月 | 「みんなの第九演奏会」を開催 約400人の合唱団を結成(写真(3)) |
| 平成3年11月 | 第6回国民文化祭を開催 当時の皇太子殿下がご臨席(写真(4)) |
| 平成6年7月 | 映画上映会を初開催(現在のきみぶんシネマ倶楽部)「アラジン」を上映 |
| 平成23年12月 | 入場者300万人を突破 きみつ少年少女合唱団クリスマスコンサート内でセレモニーを実施 |
| 令和元年9月 | 令和元年房総半島台風で市が被災 防災拠点として、駐車場などを活用し自衛隊が活動(写真(5)) |
| 令和7年9月 | 君津市民文化ホール開館35周年 開館35周年を記念して令和8年7月に「第九演奏会」を企画中!詳しくは、改めて市民文化ホールホームページなどでお知らせします。 |
過去に市民文化ホールで公演を行った著名人など
北島三郎、松山千春、高橋真梨子、ブロードウェイミュージカル「キャバレー」、ナルシソ・イエペス、宝塚歌劇「風と共に去りぬ」、野村萬斎、近藤真彦、市川團十郎、渡辺貞夫、イーヴォ・ポゴレリッチ、キーウ・クラシック・バレエ ほか
君津の文化活動を応援中!
文化ホールで活動する団体
君津市文化協会 篠宮 則子さん

文化協会では、市民芸術祭(14ページ参照)やチャリティー芸術祭などで市民文化ホールを利用しています。音響設備の整った素晴らしい施設を、誰もが気軽に利用できることはとても貴重な環境だと思います。
■ その他の文化ホールで活動する団体
君津市民合唱団、きみつ少年少女合唱団、きみぶんジャズオーケストラ、松本ピアノ・オルガン保存会、安房上総地区吹奏楽連盟 ほか
文化ホール主催事業
きみぶん演劇祭(君津高校演劇部)

普段は学校で練習をし、恒例のきみぶん演劇祭では、市民文化ホールで発表を行っています。発表場所や機材を提供していただいたほか、スタッフの方々は時に優しく時に厳しく指導してくださいます。恵まれた環境にいつも感謝しています!
■ その他の主催事業:ライブフォレスト ほか




