福岡の桜並木
福岡の桜並木は、皇太子(現在の上皇陛下)のご生誕を祝して、地元青年団により、昭和9年から昭和11年5月にかけて、県道鹿野山木更津線(現在の小櫃佐貫停車場線)沿道に約千本の桜が植栽されたものです。
当時の鹿野山は、清澄山、鋸山と並び房総の霊場、房総三山の一つとしてあがめられており、東京周辺からの日帰り遊山の地としても、古くから多くの文人墨客や参拝の人々が訪れていました。この道は鹿野山道の北参道であり、鹿野山への登り口として最も多くの人に利用されていたようです。
また、この桜並木の参道入口にある高さ約2メートルの「鹿野山参道碑」の碑文は、久留里出身の書の大家「千代倉桜舟」が若干20歳のときの大書であり、碑の背には千本の桜が植栽された経過が刻まれています。
近年の天狗巣病の影響で枯れ木となる箇所があるため、一時期の華やかさは見ることは出来ませんが、桜並木復活を目指し「みどりの環境整備21事業(鹿野山桜並木景観整備)」や記念樹植栽等により、平成13年度から平成17年度までの5年間で約360本のソメイヨシノが植栽されています。数年後の開花期にはとても情趣深い「花のトンネル」が復活することでしょう。