漁業資料館
近江屋甚兵衛
昭和63年5月にオープンした漁業資料館は、ノリと漁業に関する貴重な資料を保存し、テーマごとに展示するなど「ノリと海の資料館」として親しまれています。
資料館のある人見地区は文政年間(江戸時代後期)に江戸出身のノリ商人近江屋甚兵衛が、試作を重ねたすえに千葉県で初めてノリの養殖に成功し、「上総ノリ」が誕生した地です。
ここでは、その後長くノリの養殖が盛んに行われていましたが、社会情勢の変化などにより昭和30年代半ばに終わりを告げました。
その後、地元青年会が中心となり、失われつつある漁業資料を保存し後世に残そうと、昭和50年ごろから資料収集を始め、昭和56年6月に、消防機庫を改修した「手づくり資料館」が造られました。さらに、人見、坂田、大和田の有志が「漁業資料保存会」を結成し、資料の収集・保存・修復や小・中学生の視察の受け入れなど幅広い活動を行いました。
漁業資料館は、この精神を引き継ぎ、貴重な資料を保存・展示するために建設されました。